新型コロナウイルス感染拡大が百貨店の客数、売り上げを直撃している。インバウンド(訪日外国人)需要が大きく落ち込み、さらに国内客の不要不急の外出自粛が影響した。「2月末から売り上げ、客数が3割減で、3月に入って減少幅が広がっている。壊滅状態だ」(都内百貨店)。
営業時間の短縮をはじめ、イベントなど大型催事の中止による営業の縮小が相次ぐ。大丸松坂屋百貨店は3月の火曜日の計4日間を臨時休業し、高島屋は3月から4月初旬に各店で開催する物産展や文化催事を中止した。松屋は6、7日に銀座本店で開く予定だった外商顧客やカード会員を対象とした特別販売会「松美会」を自粛した。
緊急事態宣言が出された北海道は深刻だ。丸井今井札幌本店、札幌三越は19日まで、営業時間を午前11時~午後7時に短縮し、一部の集客イベントを中止した。インバウンドは2月に7割減を強いられ、3月に入ってさらに悪化している。免税売上高の比率が高い店舗は大きく落ち込んだ。
オンラインで店舗の減少分を補う動きも見られるが、現状はほど遠い。身をかがめて嵐の過ぎ去るのを待つしか方策がない。販売現場はリモートワークができないだけに、営業時間の短縮や臨時休業の拡大、社員の休暇促進を促す対策が重要に思える。営業縮小による光熱費削減などの効果はある。