《めてみみ》リアルならでは

2019/12/05 06:24 更新


 京王電鉄が東京・調布駅で運営するSC、トリエ京王調布は10月から、調布周辺を自転車で散策するコースなどを紹介する折り畳み式のオリジナルマップを館と、調布を含む沿線5駅で配布している。第1弾は3種類で、周辺のカフェ、調布周辺に数多い映画に関連した施設や映画のロケ地、深大寺など秋の紅葉が楽しめる場所とコースを紹介した。

 反響は大きく、発行した計5000部が「10日間でなくなった」。11月25日から配布を始めた第2弾では地元のパン屋やラーメン店などを紹介、発行数を3種類で計7000部に増刷した。「今回も減るスピードが速い」という。

 同SCは17年9月の開業以来、地域密着施策を積極的に行い、売り上げも伸ばしている。マップの配布は「より多くの人たちに調布に来てもらい、街と施設を盛り上げる」取り組みの一環。調布市外からの来街も促すため、新宿駅や府中駅などでも配布することにした。

 アナログ媒体のマップを通じて、自転車に乗って体験できる「リアルならではの価値」を提案している点も「好評な理由」と同SCは分析する。エリア内の商業施設だけでなく、ECや近隣他エリアとの競合が強まるなか、ネットにはない体験価値をいかに打ち出し、エリア全体の活性化につなげるかが商業施設にますます求められるようになった。



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