ニューヨークを拠点に活動する若いデザイナーを取材した。廃棄物ゼロのサステイナブル(持続可能)な物作りを目指し、縫製工場から引き取った繊維廃棄物や古着を使ってストリートカジュアルの服を作っている。
個人的な感想だが、スウェットシャツの端切れを独自のパターンで縫い合わせたシャツやジョガーパンツ、清掃局のユニフォームのロゴを生かしたジャケットなど、見せてもらった商品は意外なほど洗練されていた。
試しに作った数枚のシャツをSNSに上げたら「欲しい」という声が多く、ブランド化したという。店とECで販売し、ストリートブランド好きでなおかつ環境問題などへの関心も高いミレニアル世代を中心に売れているそうだ。
ECは国外の客もいるので、今後はそれぞれの国で出る繊維ゴミを使って服を作ってみたいそうだ。「ルイ・ヴィトンやナイキとコラボして彼らが出す廃棄物を使って服を作るのも面白い」とも。
国連気候行動サミットで、16歳のグレタ・トゥーンベリさんが各国の首脳に地球温暖化の責任を厳しく問うた。政治家や高級ブランドのトップなど、その発言をあまり好意的に受け止めていない大人は結構多いようだ。ただ、声高に言わずとも、行動で現状を変えようとする若い世代の動きはファッション業界でもすでに起こっている。