《めてみみ》閉店の撤回

2019/09/03 06:24 更新


 高島屋は8月25日に予定していた上海高島屋の閉店を中止した。閉店予定のわずか2日前の撤回発表に事業戦略のあいまいさや場当たり的な印象を拭えなかった。営業の継続は良かったが、6月に閉店を公表して以降、顧客をはじめ従業員や取引先の不安や動揺をどうとらえているのか疑問が残る。

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 上海高島屋は12年12月に地下1階~地上7階の売り場面積4万平方メートルでオープン。本格的な日本型フルライン百貨店だが、開業以来、赤字が続いていた。日系百貨店の強みを生かした保税売り場の開設や定借テナント導入による低コスト運営を徹底していたが、18年度業績は総売上高71億円、純損益15億円の赤字だった。

 19年度の営業損益は黒字化を予想していた。6月の閉店発表は家賃改定交渉の不成立のためだが、賃料の上昇で、さらに採算が悪化して継続できないと判断した。それが家賃の軽減など家主や上海市政府からの支援の申し入れを受けて事業継続へ一転した。

 高島屋の海外事業はシンガポールの経営資源を活用し、百貨店、不動産、施設運営の三位一体の事業戦略を推進している。上海でも当初、街と一体の複合開発に取り組もうとしたが、実現できなかった。営業継続に至った背景には中国の不動産市場の減速、大型小売業の不振があるが、日系百貨店の収益構造の脆弱(ぜいじゃく)性は変わらない。


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