《めてみみ》消費増税後の対策

2019/08/08 06:24 更新


 10月1日から実施される消費増税まで2カ月を切った。高単価商品を扱う家電量販店では増税前の駆け込み需要を狙ったセールが早くも始まった。衣料品では高額コートなどを従来よりも前倒しで投入する動きが出ている。9月に自社カード会員向けの割引やポイントアップなどを実施する商業施設も多くなりそうだ。

 例年、9月は中旬まで残暑で、秋物の売れ行きが鈍い。ファッションビジネス(FB)業界にとっては新商品が売りづらい「端境期」になっている。しかし、今年は増税直前で、例年とは様相が異なる。その点で9月の各社の需要喚起策が注目される。

 とはいえ、増税後の対策こそが重要だ。政府は住民税非課税者と3歳未満の子供を持つ世帯を対象にしたプレミアム付き商品券の発行、中小・小規模店舗を対象にしたキャッシュレス決済時のポイント還元補助、食料品などの税率を据え置く軽減税率の導入などで、駆け込み需要の反動減を抑えようとしている。

 「増税率が前回(3%)と比べて今回は低く、大きな影響はない」と見るFB業界関係者は多い。とはいえ、ポイント還元補助制度には8月1日時点で約28万店が登録申請しており、小売業界全体と消費に与える影響は小さくない。10月以降の動向を注視した上で、作戦を組み直す必要があるかもしれない。



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