《めてみみ》物作りへのプライド

2019/07/19 06:24 更新


 20年春夏パリ・メンズコレクションは、縮小傾向にある他都市のコレクションを尻目に若手ブランドを集めて規模を拡大した。LVMHヤングファッションデザイナープライズのファイナリストにノミネートされているブランドなど、勢いのある若手のショーが相次いだ。

 ここ数シーズンで、日本人デザイナーの割合が増えているのも実感する。改めてショーを始めた宮下貴裕による「タカヒロミヤシタザソロイスト」をはじめ、メンズに発表を移した「アンダーカバー」がスケジュールの一角を占める。展示会やプレゼンテーションも含めると、かなりの数の日本人デザイナーがパリで発表している。

 とはいえ、若手ブランドがビジネスを拡大していく上でのハードルは高い。パリで発表することで、アジアでのビジネスを伸ばすという構図はまだあるのだが、欧州の景気は厳しく、なかなか受注は伸びない。一方で、SNS時代の異なる仕掛けを求める店も多い。展示会に来たバイヤーが、商品を見るよりも先にブランドのSNSフォロワーの数を尋ねてくるという。何万人のフォロワーがいるかがクリエイションよりも優先される。そんなバイイングの傾向に現地のセールスエージェントも驚きを隠さない。

 デザイナーたちの物作りへのプライドが、時代の波にのまれ危機にさらされている。


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