《めてみみ》セールのあり方

2019/06/27 06:24 更新


 百貨店を含め、大半の商業施設が夏の全館セールを28日から開始する。昨年まで、大型SCの多くは6月第3週の金曜日のスタートだった。今年はイオンモールの近畿から東の施設など昨年の6月22日から28日に遅らせる施設が目立つ。

 例年、9月上旬まで暑い日が続き、夏物が実需で売れる期間は春物や秋物に比べて長い。6月第3週にセールを開始するのは早すぎたという判断が各施設にあるのだろう。ただし、6月末でも「まだ早すぎる」という指摘もある。多くの店舗で、気温が上昇した5月下旬から夏物が本格的に売れ出したばかりだ。

 夏のセールが6月下旬から7月にかけて始まることは消費者に浸透している。とはいえ、プロパーで売れる機会を業界自らの手で逃すのはもったいない。ルミネとラフォーレ原宿は今年も昨年とほぼ同時期の7月25日にセールを開始する。

 アパレル企業の自社サイトを含むECでのセールの早期化やプレセールの広がりで、全館セールに対する消費者の購買意欲は全体として低下している。今年1月の冬のセールも衣料品を中心に多くの施設が苦戦した。

 全体に占める比率はまだ低いが、セール期間中に「新鮮で、今から着られる」プロパー品が売れる傾向は強くなっている。時期も含めて、セールのあり方を問い直さなければならない。



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