「高校生の息子と話してラグジュアリーストリートのブームがますます加熱していると再確認した」と語るのは、あるアパレルメーカーの専務。当初はド派手なロゴがプリントされたオーバーサイズのTシャツに、プレミアム付きハイテクスニーカーを合わせる息子の姿に違和感を覚えたという。
記者の同僚の大学生の息子もラグジュアリーブランドとストリートブランドのコラボスニーカーに心酔している。同じものを3足購入し、1足は日常使い、1足は観賞用、1足は転売用にする。高額だが、マニアでも手に入らないような限定品はプレミアムが付くので転売すれば元が取れるという。
原宿などのブランドリサイクルショップでも90年代のストリートカルチャーをリードしたブランドの人気が沸騰中。裏原系ブランドへの憧れが強い中国などアジアから訪れるファンも殺到している。
数年前に地方の個店を取材した際、ラグジュアリーストリートを目当てにした20歳前後の来店が増えたという話をよく聞いた。青春時代に〝裏原ストリート〟の洗礼を受けた40歳前後のオーナーのリアルな体験談が今の若い世代の心に刺さり、店頭での会話が弾むようになったとも。やっぱりファッションは若者が変革していくもの。オジサン世代を圧倒する熱量が未来を切り開いていくのだろう。