《めてみみ》1年後の自分

2019/06/03 06:24 更新


 小学生の女の子が毎朝、父親とランニングをしている。見かけるようになったのは去年のこの時期からだから、ほぼ1年、欠かさず続けているようだ。最初はゆっくり走る父親についていくのもやっとだったのが、最近は坂道をダッシュで登りきり、追い抜いた父親を坂の上で待つ余裕も出てきた。何よりも、つらそうな顔をしていたのが今では楽しそうに走っている

 朝の散歩でリハビリ中と思われる人とも出くわす。回復するという意志が体を動かしているのだろう。ゆっくりゆっくり、杖をつきながら歩を進めている。それでも、半年、1年と、会うたびに歩みは力強くなっていく。1日の変化は緩やかでも、それを1年続ければ大きな変化となる

 社会人になりたてのころ、日記を勧められた。その日の出来事や思ったこと、気付いたことをメモ書きでもいい。1年後に読み返せば、去年の自分は何を考えていたのか、今の自分は1年前の自分よりも成長しているのかが感じられるからと

 6月が始まった。今年入社したばかりの多くの新入社員にとって、基礎研修を終え、現場に配属されたころ。キャリアはスタートしたばかりだ。仕事にはまだ慣れていないだろうが、大切なのは成長を信じ、毎日を積み重ねること。やがて成長を実感できれば、仕事に向き合う表情も変わってくる。



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