《めてみみ》日本ブランドの競争力

2019/03/29 06:24 更新


 LVMHヤングファッションデザイナープライズのファイナリスト8ブランドが発表され、森永邦彦の「アンリアレイジ」が選ばれた。昨年グランプリを獲得した井野将之の「ダブレット」をはじめ、これまでにも何人もの日本人デザイナーがノミネートされてきた。

 15年にも及ぶキャリアを持つアンリアレイジの森永が、ヤングファッションデザイナーとされることに日本側からは違和感を覚えるが、フランス側から見るとそうではないのだろう。パリ・コレクションにデビューしたのは15年春夏で、まだ数年のキャリアに映るのかもしれない。

 世界からデザイナーを集めるパリ・コレクションで、日本のブランドは大きな勢力を占める。19~20年秋冬も新たに「シクラス」が公式スケジュールでデビューした。発表の手法がプレゼンテーション形式の「マメ・クロゴウチ」や展示会の「アキラナカ」なども含めると、日本ブランドはかなりの数に上る。

 日本のブランドに対し、プロダクトクオリティーの高さを評価する関係者は多い。製品としての破綻の無さを支えるのは、日本のテキスタイルメーカーや縫製工場のクオリティーの高さだ。ただ、これまでは関税の影響で、価格とのバランスでは競争力に欠けていた。それもEPA(経済連携協定)の発効により大きく変わろうとしている。



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