タイ・バンコクで大型商業施設、アイコンサイアムが10日、開業した。延べ床面積が52万平方メートルのSCに加え、52階建てと70階建ての2棟の高級分譲マンションを併設する。規模はもちろん、世界のファッションブランドが軒を連ねるラグジュアリーモールやエンターテインメント施設は世界有数のSCとしての完成度に驚いた。
立地するのは、バンコク市内を流れるチャオプラヤ川の西岸。バンコクの商業集積地であるサイアム・スクンビット地区は同川の東側にあり、5万~10万平方メートルのSCが林立する。アジア有数の商業の集積度で、圧倒的な集客力を誇る。
一方で、アイコンサイアムが進出したエリアは商業空白地だが、サイアムやタイ有力財閥のチャロン・ポカパン(CP)グループなどが共同で開発を進めてきた。同エリアは投資額が540億 バーツ (約1880億円)に達する国家的なプロジェクト。
ラグジュアリーブランドの旗艦店の数々をはじめ、屋内に水上マーケットやスーク(野外市場)を模した商業ゾーンや、夜にはチャオプラヤ川沿いに長さ400メートルのイベント広場で水と火をテーマにしたショーが繰り広げられる。エンターテインメント性は既存の商業施設にない独自のもの。当面はアクセスの悪さの影響が予想されるが、従来の商業地図が塗り替わる可能性がある。