《めてみみ》ワンポイントが決め手

2018/10/29 06:24 更新


 来春夏はブランドロゴマークをはじめ、動物や草花、昆虫などをモチーフにしたワンポイントやグラフィックプリントが百貨店向けメンズブランドでもあふれそう。歴史あるブランドが紋章をかたどったワッペンをポロシャツにつけたり、フランスのブランドがイメージキャラクターの犬を新たなアイコンにしたりと様々だ。

 無地でベーシックなカジュアルウェアは高品質で低価格な大手カジュアル専門店チェーンが圧倒的なシェアを誇り、同じ土俵での勝負は厳しい。同質化が激しい市場の中でブランドのアイデンティティーを消費者に伝える手段として、ワンポイントも有効なのかもしれない。

 若い世代が洋服を購入する際、フリマアプリなど2次流通で一定の価格が通るかを重視するようになっている。そのため、専門店などのPBよりも分かりやすくブランドのロゴマークが付いている洋服の方が重宝される。もちろん、ブランド自体に高い知名度と人気があるのが大前提にはなるが。

 ここ数年、90年代ファッションのリバイバルブームも追い風となり、アメカジやトラッド、プレッピースタイルのブランドが若い世代に再評価され、売り上げも浮上してきた。ワンポイントを単なる記号で終わらせず、ブランドのストーリーを伝え、ファンとの信頼関係を築くきっかけにしてほしい。



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