ひばりが丘パルコ(東京都西東京市)は1階のエスカレーター横で、「ひばりの肖像」と題したミニ写真展を11月4日まで開いている。近郊で撮影され、客自身の思い出の写真と、同じ場所で同じような構図でプロのカメラマンが撮影した現在の写真を並べた。14組の写真を客の思い出のコメントとともに展示している。
開業25周年記念企画の「目玉」の一つ。隣接展示している街の昔の写真や25年間の年表と合わせ、自身の歴史と重ね合わせて懐かしむ客も多い。
同施設は半径3キロ圏の住民が中心客層の地域密着型SCだ。25周年記念企画は「これまで地域の方々に支持していただいた感謝も込め、街やお客それぞれの歴史を共有し、改めて地元に愛着を持っていただく思いで立案した」と草刈洋店長は話す。ひばりの肖像以外の企画も大半を地域住民参加型にした。
商業施設の周年記念企画はセールやノベルティーの配布などが恒例だ。もちろん、客にとってはその時期だけのサービスを提供されるのはありがたいし、売り上げを伸ばす施設も多い。
ただし、販促が前面に出過ぎて、施設側の〝自己満足〟に終わっった事例も少なくない。周年記念企画に限らず、客と一体となって、施設だけでなく、街全体を盛り上げる姿勢が特に地域密着型施設には重要で、支持され続ける理由にもなる。