ビームスは、メンズカジュアルの旗艦店である原宿店をリニューアルした。半期に一度、内装をシーズンテーマに沿って変えてきたが、今秋冬はその手法をがらりと変えた。秋冬に売りたい服ではなく、服を着る人に焦点を当てた。
自社サイトの秋冬のキャンペーンページを開くと、複数の男女のモノクロの写真が並んでいる。それぞれの人物をクリックすると、彼らがビームスの服を着て街中の様々な場所で撮った画像が映し出される。
キャンペーンに登用したのは、モデル、ラッパー、スケーターなど。広く世に知られているわけではないが、ファッションやストリートカルチャーを愛好する若い世代では話題の人たちがシーズンテーマに関係なく、好きなビームスの服を選び、着ている。
リニューアルした原宿の店内には、今回のキャンペーンサイトにつながるQRコードもあちこちに貼った。ソーシャルメディア経由で、ビームス原宿が若い世代でうわさになり、来店のきっかけを作る狙いがある。
どこで何を売っているかなら、ネットで検索すれば誰でも簡単に知ることはできる。ただ、商品を見ただけでは、今どきの格好良い着こなしまでは伝わらない。何を売りたいかではなく、誰がどんな風に着ているかを見せることで、ビームスは改めて自店のファンを作ろうとしているようだ。