19年春夏レディスコレクションが佳境を迎えた。トレンドはピンクやパープル、クリームイエローなど柔らかな淡い色がメインカラーになっている。スポーツの要素やナチュラルなイメージを含んだブランドも多い。スポーツを背景にしたラインでは、スイムウェアを取り入れたコーディネートやネオプレンのような素材が目立つ。
ナチュラルムードを醸し出すのは、ドローコードやストリングス、フリンジのディテールの巧みな使い方。クロシェによるアイテムや、クロシェと布帛を切り替えたものも増えている。
ミラノ・コレクションの終盤、アルマーニ・ミュージアムで写真家サラ・ムーンの展覧会が始まった。サラ・ムーンといえば、被写体が淡い抽象画のように浮かび上がる作風に特徴がある。その幻想的な写真に目を奪われる。「ヨウジヤマモト」「イッセイミヤケ」「コムデギャルソン」らの日本のデザイナーの服を写した作品も展示されていた。そのファインダーで切り取られた写真は時代を超えた美しさをはらんでいる。
ファッションは身に着ける実用品でありながら、時代に対する一つの指標となる存在でもある。だから、写真家にとっては格好の対象物となるのだろう。流行のある装飾でありつつアートの要素も持つのがファッション。そんなことを改めて考えさせられた。