東京・日本橋で、百貨店の大型改装が相次ぐ。専門店ゾーンを新設する高島屋と、王道である「おもてなし」に特化した三越だ。老舗の両店が、ライフスタイルの変化に対応し、新たな顧客層の拡大を狙う。
日本橋高島屋SCは25日に開業する。新館は東神開発が運営する専門店ゾーンで、本館の百貨店は来春までに全館改装する。東館、ウォッチメゾンを加えた4館体制の約6万6000平方メートルの都市型SCが誕生する。周辺の就業者や居住者らの関心事に合わせてモノ、コトを提供する。
三越日本橋本店は今秋と19年度の2期に分けて全館改装する。第1期は10月24日オープンし、専任スタッフのコンシェルジュ90人、ガイド100人を再配置し、よりパーソナルな接客体制を整える。豊富な販売経験、専門知識を持つ専門人材を起点に売り場と連携、ブランドやカテゴリーの垣根を越えた接客サービスを強化する。
高島屋は専門店との組み合わせで、地域に欠けている商品・サービスを拡大する。新館は飲食など10店が平日朝の7時30分に営業開始、4階の女性専用ヨガスタジオも出勤前にリフレッシュできる。三越はアプリを刷新、個々の販売員が持っていた情報を一元化して顧客の要望に最適な接客サービスに結び付ける。いずれも顧客接点の拡大で、新規客が獲得できるかが問われる。