少子高齢化の進行、生産人口の減少は日本社会に大きな影響を与えそうだ。2025年問題とも言われ、介護施設や医師の不足など大きな課題が山積する。高齢化社会に対して不安をあおる話はこと欠かない。
ファッション業界も例外ではない。特に紳士服業界は深刻だ。高度経済成長以降、スーツ需要を支えてきた団塊世代が会社からリタイアしたため、ピーク時に比べ販売着数は大幅に落ち込んでしまった。この10年間はクールビズが定着したことで夏にスーツを着用するビジネスマンも減少し、オフィススタイルのカジュアル化という荒波を受け、転換期を迎えている。
アクティブなシニア層など高齢者を元気で楽しく生活してもらうために、「グッドエイジング」活動を続けるのが日本メンズファッション協会(MFU)。今年9月で16年目を迎えるグッドエイジャーキャンペーンでは従来の授賞式などのイベントに加え、消費者を巻き込んだ取り組みによって、もっと活動の認知度を高めたいとしている。
服作りの現場では高い技術を持った熟練の職人が少なくなっている。技術の継承は国内工場の存続にとっても大きな課題だ。まだまだ諸先輩方に学ぶべきことは多く、活躍の場もたくさんある。高齢化社会への対応を前向きにとらえ直すことで、新たな活路が開けるのではないか。