ファッションを学んでいるという2人の大学生に、百貨店とファッションビルを実際に見比べてもらい、「違い」をリポートしてもらった。彼女たちのリポートの内容が少し意外だったので紹介したい。目をつけたのは、双方の施設に出店しているブランドを比較すること。婦人服、紳士服、婦人バッグ、アクセサリーなど双方で展開しているブランドは結構ある。
違いの一つは、商品ディスプレーの差。婦人服では提案商品の色目や肌の露出具合が、紳士服ではカジュアルとビジネス重視の違いがある。アクセサリーでは前面にある商品の価格帯が違うという。同じブランドであっても、対象客層の違いがディスプレーや品揃えに反映されているとの分析だ。
もう一つが、スタッフの接客で、これも客層の違いによるものとの見方だ。意外だったのは「声をかけてはくれるが、ゆっくり見られる環境を作ってくれていた」という百貨店に好印象を持ったこと。もう一人も、どちらで買うかと聞かれたら「迷わず百貨店」の方だそうだ。
「商品の並びは違っていても置いているものは同じ。どの店舗を選ぶかはスタッフの力量によるのではないかと感じた」とまとめている。無論、このリポートだけで何事も決め付けることはできない。ただ、デジタルネイティブ世代である20歳前後の彼女たちが、ブランドネームや価格だけではなく、どうやら内装や接客も選択基準にしていることを伝えたかった。