商業施設の今夏のセールは昨年と同様、開始時期が6月下旬から7月下旬に分散した。例年、6月最終金曜日に開始する施設の大半は昨年の30日から今年は29日のスタートだったため、6月のセール日数が1日増えた。6月下旬からの猛暑も追い風となり、売り上げを伸ばした施設は多い。ただし、セールを前倒しした分、7月に売り上げが失速した施設も多かった。
一方、7月26~30日に実施したラフォーレ原宿の売り上げは期間中、7月全体ともに前年実績を上回った。7月27日から8月2日に行ったルミネは最初の2日間は台風の影響で苦戦したが、その後に盛り返して期間中の売り上げを微減にとどめた。多くの施設がセールを開始した6月29日から8月2日までの売り上げは前年比1.7%増と健闘した。
6月下旬にセールを開始し、成果を上げた施設もあったが、7月下旬からでも客のニーズに十分対応できることを今年も示した。ラフォーレ、ルミネともに「他施設より時期が遅くても、お客は心待ちにしてくれた」という。
シーズンの切り替え前に客への感謝を込めて、在庫を割安価格で販売するのがセールの本来の意義だ。プレセールの広がりなどで、本セールの意味も問われている。業界は本来の意義に立ち返り、シーズンMDとセールのあり方を再考する必要がある。