《めてみみ》クレイジーな達人

2018/08/20 06:20 更新


 毎週楽しみにしているテレビ番組がある。TBSの「クレイジージャーニー」だ。毎回、常軌を逸したような過酷な冒険や、一つのことをトコトン突き詰めている人を紹介する。平日深夜の放送にもかかわらず、熱心なファンも多く、番組のDVDもヒットしている。

 リヤカーを引いて世界中を旅する人や未知の狭い洞窟を探検する人、珍しい爬虫(はちゅう)類を探し求める人、奇怪な廃墟を撮り続ける人、スラム街など危険なエリアをリポートする人、虫を食べるために東南アジアに通う人…。この中から他のテレビ番組にも引っ張りだこの人気者も生まれた。

 ファッション業界にもクレイジージャーニーを超えるくらいの冒険人生を送ってきた人がいる。東京・北千住に本社を構えるベルトメーカー、丸正の小薬正男会長(83)だ。15歳からベルト工場で修行後、20歳で独立し同社を創業した。70年にはベルトで使う革を求めてアマゾンの奥地までワニを捕まえに行き、エキゾチックレザーブームの一翼を担った。

 ワイン好きが高じて、ワインの卸、輸入、小売りなどの免許まで取る徹底ぶり。こうした探究心や行動力に見習うべきことが多い。詳しくは『のんびりなんて生きられない』(幻冬舎)に譲る。これからを担う世代からもクレイジーな達人が登場し、新たなマーケットを切り開いてほしい。



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