この時期、スーツを着用しているビジネスマンを見なくなった。クールビズ=夏の軽装が完全に定着し、既製スーツは販売着数の落ち込みが続く。最近では大手紳士服専門店やアパレルメーカーによる紳士スーツのレンタル、シェアリングサービスなども始まり、紳士スーツへの逆風は強まっている。
一方で、オーダーメイドスーツへの注目は高まるばかりだ。スタートトゥデイが「ゾゾスーツ」を使った採寸のデジタル化を武器にPBでオーダースーツの販売を開始するなど、これまでオーダー未体験の一般消費者にまで関心が広がっている。
オーダーメイドといっても、様々な形態がある。既製ブランドやゲージ服の着丈・袖丈など縦方向の補正するパターンオーダー、CAD・CAM(コンピューターによる設計・生産)によって型紙をグレーディングすることで縦・横方向の補正も可能にした量産型のイージーオーダーが一般的だ。職人が顧客個人のために型紙を作成しハンドメイドで仕立てるビスポークは高額品となる。
スマートフォンで注文できるオーダースーツも増えてきたが、プロの販売員とともに生地やデザインを選び、自分好みにカスタマイズできるのがリアルな場こその楽しみ。記者も秋冬物でオーダースーツを仕立ててみたいと思う。メタボで既製品が合わないから。