古着ブームが続く。東京などの大手だけでなく地方のメンズセレクトショップを取材しても新品と同じスタンスで古着を仕入れ、コーディネートアイテムの一つとして品揃えするところが目立つ。若い消費者が古着を求める理由は「安いから」だけでなく、「一点物」を見つけたような感覚が味わえるからだという。
だからといって、かつてのビンテージブームのように○○年代の◇◇モデルなどと希少性を追い求め、高額品を購入するわけではない。90年代リバイバルトレンドの流れが強いことも、若い世代の人気を後押ししている。
古着のリメイクも注目されている。千葉県柏市に工房兼ショップを構えるジーンズリペアのゴエモンは秋冬からリメイクブランド「リ・ラボ・ゴエモン」の卸販売を本格化する。流行に乗ってリメイクを始めたわけではない。リメイクの企画制作は矢島太郎代表の妻、さくらさんが10代の頃から25年間続けている。04年の創業以来、積み重ねてきたリペアの信用度の高さも大きい。
「古着を解体してパターンから作り上げるリメイク品は、毎回、作り手の想像を超えた出来上がりになる。そのワクワク感を消費者にも伝えたい」と、さくらさん。自ら物作りができる強みを生かし、卸し先の店頭で体験型ワークショップをすれば地道なファン作りにもつながる。