「消費の二極化」「高質志向」「メルカリの広がり」。これらの現象は全てつながっている、との見方がある。消費の二極化は、かつては所得格差の拡大による中間層の減少と社会階層の二極分化を指したはずだが、今は所得格差とは違う視点で語られる。
日用品と嗜好(しこう)品、あるいは興味がある物と無関心な分野の商品では、価格価値などが全く異なる消費行動となるのが今の二極化だ。低価格志向と、価格よりも価値を重視する志向が、消費者一人ひとりのなかに共存しているわけだ。メルカリなど二次流通が一般化し、その二極化がより強まっているらしい。
ある百貨店幹部は「どうせ買うなら良いモノ」という意識に加え、「再販できる安心感」が、これまでよりも「上」の物の購入を後押ししている面もあるのではと指摘する。一方では、新品よりもワンランク上の商品を二次流通市場で購入するケースが増える可能性もあるという。
シェアリングエコノミーも広がっている。欲しい物を取得する手段としてのクラウドファンディングもある。消費者が貸し借りを含め〝購入〟するための選択肢は多様化する一方だ。顧客起点が商売の原点とすれば、52週MDや値下げ販売を前提とした物作りや売り方は、将来の消費者にとっても適応したビジネスモデルとは言えなくなっているのではないか。