《めてみみ》場作り

2018/06/27 06:24 更新


 「1番のモチベーションになっているのは他店の店長との飲み会」とは、SCに出店する美容室の店長。毎月1回、他業種の店長2人と酒席で、店舗に関する情報交換をしたり、それぞれの悩みを語り合い、「より一層頑張るという思いを強くしている」という。

 店長の仕事は多岐にわたり、負担も大きい。自ら販売するだけでなく、店の業績に責任を持ち、他のスタッフを育成しなければならない。SCに出店する店舗ではディベロッパーとやり取りする業務も多い。時には店舗運営企業の本部とディベロッパーの板ばさみになることもあり、悩み事も尽きない。

 従業員の人手不足が深刻化するなかで、店長の役割は一段と高まっている。SC側も、店長に頑張ってもらわなければならない。そのため、研修以外でも、テナントの店長をサポートするSCディベロッパーが増えている。カウンセラーによる「店長の悩み相談」を定期的に実施しているSCもある。

 冒頭の美容室の店長はSCが企画した従業員懇親イベントを通じて他店の店長と知り合い、意気投合して交流を深め、定期的な飲み会を決めた。「きっかけを作ってくれたディベロッパーに感謝したい」と店長は話す。ディベロッパーとテナントだけでなく、テナント同士の交流を促す「場作り」がますます重要になっている。



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