物流の話題が増えた。物流と一口に言っても陸運、海運、空輸、保管や付帯加工業務など様々。かつては、それぞれの分野で専門性を発揮する企業が多く、扱いアイテムによっても得手不得手が比較的鮮明だった。規制の多い業種で、保守的な部分も強い業界だが、近年は様相が大きく変わり始めた。
物流の品質を分ける要素は、安心や安全、納期、サービスなど色々だが、近年は特にスピードが問われている。店頭に並ぶ衣料もアイテムによっては、1週間単位の鮮度が当たり前のようになってきた。海外生産であろうとも、コストとスピードの両立が必要だ。
こうしたなか、陸海空の輸送を柔軟に組み立てる動きが目立つ。中国・山東省から韓国に船で運び、陸路を釜山まで走ってから再度日本へ船積みするケース、ミャンマーからタイへ陸送し船や空輸で日本へ運ぶ場合など、顧客ニーズに合わせたサービスが各種提案されている。
朝鮮半島も、よく話題に上る。「釜山から欧州まで一気に陸送する可能性も出てきますかね」。中国から欧州までの「一帯一路」が注目されるなか、確かに釜山から欧州まで陸路でつながれば理想的だ。そう簡単に進まないとは思いつつも、環境が一気に変わる時代。世界の政治・経済を見極めながら、物流戦略を組み立てなければいけない時がやってきた。