《めてみみ》去る人・来る人

2018/03/14 04:00 更新


中国でも提案力や営業力が求められる中、個展を活用して顧客に情報発信する専門商社の上海現地法人

 3月は異動の季節。上海でも、去る人もいれば、新たに赴任して来る人もいる。企業によっては海外へ赴任すると海外の事業所をいくつか経験する人もいる。逆に1カ所に長く駐在し、その国の第一人者になる人もいる。28年ぶりに日本に帰任する人は、「責任感をもって企業を成長させるような人材を育てたい」という思いを後任に引き継いでいく。

 赴任してくる人も中国での経験を買われての再登板、日本での実績を中国で生かすことを期待されての異動と様々だ。再登板になった人から、「日本人は物を作るという発想」「中国人は物を売るという発想」と、ビジネスの基本の違いに悩みながら現地化に取り組んでいる話を聞いた。

 日系企業は日系企業同士のビジネスが多くなりがち。そうすると、中国人従業員は受け身になってしまうという。しかし、中国の大きな市場を取り込むには中国企業との取引拡大が不可欠。日本企業の強みを地道に説明すれば、中国企業の中には、日本の良さを理解してくれる人もいる。特にトップの説得は大切だという。

 その役目を担うのが中国人従業員だ。そのため、物作りの基本を理解してもらい設計もできるように教育した。成果は出始めているようだ。海外に複数の工場をもつ人からは「グローバルに活躍できる人材を輩出したい」という究極の目標を聞いた。



この記事に関連する記事