《めてみみ》SCのES宣言

2018/02/07 04:00 更新


画像はイメージです

 日本ショッピングセンター協会(SC協会)が「ショッピングセンターにおけるES(従業員満足)宣言・行動指針」を策定した。深刻さが増すテナント従業員の人手不足の解消につなげるため、業界が取り組むべき課題を明記した。流通業界団体がこうした指針をまとめたのは初めてだ。

 SC協会は15年に人材確保小委員会を作り、報告書「人材確保対策への取り組み」を16年5月に発表した。ES宣言・行動指針はその後の情勢も踏まえ、さらに議論を重ねた「業界としての理念とガイドライン」(清野智SC協会会長)だ。

 内容も、踏み込んだ。テナント企業から要望が強い営業時間短縮と休業日数増については「地域・業種の特性等に配慮する」としながらも、「館内の区画・店舗ごとの営業時間の設定など弾力的な対応を考慮する」と明記した。「残業抑制のための取り組みの早期化」も推奨した。

 館の営業時間や従業員の労働条件などは企業の決定事項で、宣言・行動指針に拘束力はない。とはいえ、宣言・行動指針の記載項目は「ディベロッパー、テナント企業が真剣に議論した上で決めた内容なので、重みがある」(清野会長)。この1、2年、営業時間短縮や休業日の導入・拡大などES施策を強化するSCは増えている。宣言・行動指針を実行する企業の広がりに期待したい。



この記事に関連する記事