スペインの「ザラ」がロンドンに自社ECの注文と商品受け取りに特化した店を出した。タグをスキャンするとサイズやコーディネートを映し出す鏡など最新の技術を導入、ここで商品を選んだ客はネットで買う。
ザラにしては小さい200平方メートルのこの店。施設内の旗艦店を改装工事する期間限定の営業だが、リニューアル後も通常通り商品を売る以外に、ネット購入商品を店頭で受け取るコーナーを設ける。店内にはセルフレジも置き、有人レジを使わなくても支払いができるようにする。
日本ではサザビーリーグがネット販売限定のジュエリーブランドを4月からスタートする。チャットで接客し、商品のカスタマイズやギフト包装なども受けるが、店は持たず、その分、中間コストを廃して価格を引き下げる。
実店舗を前提に商売してきた同社にとって初のネット限定ブランドだ。「商品を店で見てECで買う、前例のないショールームビジネスを目指す」という。
一連の動きは消費者がファッションを買う際、実店舗への来店ではなく、SNSを含め、ネットの情報発信を頼りに選ぶ時代になったと小売りサイドが判断したことが背景にある。規模やカテゴリーを問わず、ネット限定、あるいはネットを前提にした店の在り方を模索する動きは今年以降、もっと増える。