《めてみみ》年に1度の再会

2018/01/30 04:00 更新


「サロン・デュ・ショコラ」に集まったショコラティエたち

 三越伊勢丹が主催するチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」東京会場に行った。門外漢だが、業界関係者に同行させてもらった。会期が約1週間で10万人を動員する名物店外催事で、百貨店から飛び出して今回で16回目。規模、内容とも日本で随一のイベントとして定着しているのは知っていたが、入場するのは初めてだった。

 まず驚いたのは入場料が648円(税込み)で、時間帯別入場による事前予約制にもかかわらず、広い会場は熱気で満ちていたこと。あちこちで、ショコラティエにサインを求め、記念撮影している。いくつもの高級チョコをかごに入れてブースを回る人が目立った。

 人気の理由は最新作や限定品を購入できるだけでなく、お目当てのシェフに会えること。作り手、買い手ともに年に1度の再会を楽しんでいる。ネット上には会場や商品の写真が次々と投稿され、口コミで情報が広がる一方で、公式ムック本(1296円)を買い求める列ができていた。

 バレンタイン商戦は売り上げ、動員数とも拡大が続き、数少ない成長領域の一つだ。規模が異なるが、期間中の売り上げが10億円を上回る店舗もある。新規客を絶えず獲得し、市場が活性化する好循環を生む。単にものを販売するだけでなく、コトを通じた体験型ショッピングとして学ぶことは多い。



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