18~19年秋冬メンズコレクションはミラノまでの日程を終え、パリへと舞台を移した。これまでのところトレンドは、アメリカンカルチャーを背景にしたラインの広がり、タータンチェックの復活などが挙げられる。
ウェスタンシャツをイメージしたヨークの切り替え、バファローチェックやオンブレチェックの懐かしい柄、ボア襟や裏ボアの素朴なムード。懐かしいアメリカンカジュアルを思い出させるそんな素材や柄、ディテールが目立つ。
アメリカを背景にしたラインが広がっていることについて、ある日本のバイヤーは「カジュアルを背景にしているので売りやすいトレンド」と語る。マーケットのトレンドが長らく英国調が中心だったことからも、この流れを新鮮に感じる人も多いようだ。
もう一つのトレンドとなりそうなタータンチェックは、この間の英国調の流れの発展と見ることができる。鮮やかな赤やイエローのほか、伝統的なロイヤルスチュアートやブラックウォッチなどの柄を含めて多彩な表現が広がった。一方、より広い市場をイメージするクラシックのブランドでは、依然として英国調が続く傾向にある。
ハイファッションの傾向がクラシックにどういう形で落ちていくのか、あるいは落ちていかないのか。そして、パリは全く異なる流れを見せるのか。注目していきたい。