《めてみみ》ドッグイヤー

2018/01/09 04:00 更新


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 昨年は年末にかけて防寒衣料の動きが良く、新年の初売りにも勢いがあった。株価も東京市場の大発会で741円高となり、新年の賀詞交換会での業界団体トップのあいさつには久しぶりに明るさと先行きへの期待がこもったものとなった。

 今年は戌(いぬ)年。ドッグイヤーと言われるように犬は成長が速く、生まれてから1年も経たないうちに成犬に育つ。飼い主に忠実で、飼い主を裏切らないし、背かない。また、警戒心が強く不審者には容赦ない。忠実な相棒として、あるいは番犬として、人間は太古から犬に愛情を注いできた。

 情報技術分野の革新のスピードは、ファッションビジネスに大胆で迅速な変革を迫っている。消費者の購買動機の変化は商品開発の手法を変え、製造技術や生産の仕組みの改革はサプライチェーンの機能や物の流れ方も変えようとしている。新しい市場に対応した新しいビジネスモデルが台頭し、古いシステムに変容を迫る。この1年は、犬の1年に相当するような激しい変化が予想される。

 わが愛犬は12年前の戌年生まれ。警戒心は強いが、気が弱く番犬には向いていない。それでもあくまでも忠実で、飼い主を裏切って他人に尻尾を振ったりしない。

 今年がドッグイヤーの始まりであっても、年初に感じられた回復への期待を裏切って欲しくない。



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