《めてみみ》地方駅ビルの業態転換

2017/12/27 04:00 更新


「つくば霞ヶ浦りんりんロード」(アトレ公式サイトより)

 アトレはJR土浦駅の駅ビル「ペルチ土浦」(茨城県土浦市)を全面改装し、サイクリング特化型施設「プレイアトレ土浦」に業態転換する。来年3月下旬から段階的に改装し、19年秋以降にグランドオープンする予定だ。

 自転車の販売・メンテナンス・修理などや自転車愛好者向けのイベントも行う施設、サイクリングカフェ、サイクリング愛好者を対象にしたホテルを入れ、地元店の食ゾーンも設ける。「従来型の買い物主体の駅ビルから脱却し、コト発信と体験の提供に軸を置いた新しい駅ビルを目指す」という。

 地方の中規模都市の商業施設の多くはECや周辺の郊外大型SC、大都市部の有力施設などとの競合激化にさらされている。土浦も例外ではない。

 ペルチ土浦がサイクリング特化型施設に転換するのは周囲に全長180キロの日本有数のサイクリングコース「つくば霞ヶ浦りんりんロード」があり、同施設が「首都圏からの玄関口」に立地するためだ。他の地域にはない「資源」を活用し、地元だけでなく、500万人いるという首都圏のサイクリング愛好者や海外の愛好者も取り込み、「地域を活性化したい」という。

 地方都市にはその土地ならではの特性、他の地域から人を集められる「資源」があるはずだ。それを生かし、あるいは掘り起こして広く発信し、地域を元気にすることが商業施設に求められている。



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