パリのスペシャリティーストアとして有名なコレットが閉店するという発表が業界を驚かせている。高級ブランドショップが軒を連ねるサントノーレ通りにあるコレットは、品揃えと立地の良さで人気を集めた。パリ・コレクションの時期には、話題のブランドがウィンドーを占拠、そのVMDも話題だった。
コレットが有名になるにつれ、たくさんの観光客が押し寄せるようになった。その結果、近年は高級な土産物屋といった風情で、1階の雑貨コーナーはいつも人がごったがえしていた。2階には有名ブランドが揃っているが、ここで服を買うという雰囲気にはなかなかならなかった。
コレットの近況とはうらはらに、今、パリで話題の店といえばブロークンアームである。3区の静かなエリアにぽつんと存在しているが、コアな服好きは数年前からここで新進ブランドを買うようになった。
ECの成長の一方で実店舗の不振が言われる。そんな中でのコレットの閉店は、専門店ビジネスの将来への見通しを曇らせる。しかし、デザイナーたちの濃い商品を揃え、それをちゃんと感じ取れる空間には、コアな客がついてくる。明日29日にはドーバーストリートマーケットがシンガポールに新店をオープンする。売り方までをデザインする川久保玲が、新しい店をどう作ったのか。注目したい。