17~18年秋冬オートクチュールは、ここ数年で最も多い35ブランドが公式スケジュールで発表した。非公式スケジュールを加えるとさらに多く、充実ぶりをアピールした。初参加ブランドで、とりわけ目立つのがこれまでニューヨーク・コレクションで見せていたブランドだ。「プロエンザ・スクラー」「ロダルテ」らがパリへ発表の場を移した。
両ブランドとも既製服だが、プレタポルテではなくオートクチュールの時期に発表を合わせた。理由は、プレタポルテのスケジュールが混み過ぎていること、この時期にプレコレクションの展示会が行われバイヤーの仕入れ枠にはまる可能性があることなどがある。
ニューヨークからパリへ発表の場を移す背景には、北米市場の冷え込みもあるという。この間、米国の小売店の実店舗の減少やECへの売り先のシフトなどの話も聞く。米国のセールスエージェントでありながら、受注を確保するためにパリで展示会をする動きもあるようだ。
こうした流れとは逆に、パリからニューヨークへ発表の場を移したのはラフ・シモンズ。「カルバン・クライン」を手がけることにより、自身のブランドもニューヨーク・メンズで発表することになった。ニューヨークにとっては、話題性の高さに期待するところ。北米の市場とともに、今後の動きに注目したい。