《めてみみ》京都の存在感

2017/05/19 04:00 更新


 新緑の京都でラグジュアリーブランドが相次いでイベントを行った。「ルイ・ヴィトン」は18年クルーズコレクションを滋賀県信楽のミホ・ミュージアムで開催、関連イベントを京都で行った。「エルメス」は祇園店を新たな装いにして「パンク」と称したイベントを開催した。ジュエリーコレクション「シェーヌ・ダンクル・パンク」にフォーカスしたもの。いずれも日本の自然や京都の伝統との調和を背景にしている。

 ラグジュアリーブランド以外にも、この時期の京都では国際イベントが開催されている。今年で5回目となる京都国際写真祭(キョウトグラフィー)は、ロバート・メイプルソープや荒木経惟らの作品を集めて行われた。

 一連のイベントに参加して驚いたのは、西日本のフランス領事館は京都にあるということ。西日本におけるフランスの存在感を高める狙いで09年に移転したという。

 京都の持つ伝統が海外から人を集める一方で、変わり続ける日本の都市景観に危惧を覚える人も多い。大都市の相次ぐ商業施設のオープンラッシュは、これまでのその地域の町並みや文化を変えてしまう。景観保持に厳格なヨーロッパの都市と比べると、日本の街づくりに違和感を覚える外国人は多い。日本は伝統とどう付き合っていくのか。それを考えさせられるイベントとなった。



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