メルカリが越境取引事業の新戦略 初の世界共通アプリを提供

2025/09/30 17:30 更新NEW!


世界共通のグローバルアプリを出す

 メルカリは9月30日、越境取引事業の新戦略を発表した。越境取引事業の成長と世界の越境EC市場の拡大を背景に、メルカリ初の世界共通アプリ「メルカリグローバルアプリ」と国内事業者を支援する「メルカリグローバルEC基盤」の2本柱で成長を加速させる。

(藤川友樹)

 19年に越境EC事業者との連携から始まった同社の越境事業は、流通総額が過去3年で15倍以上に成長し、年間900億円超に拡大した。新戦略では海外の購入者と日本国内の事業者の双方の体験を向上させるのが狙い。

 グローバルアプリは9月30日から台湾、香港で開始した。26年春から米国で提供する。3年以内に50以上、中長期的には100以上の国や地域に順次広げる。海外購入者は同アプリを通じて日本の「メルカリ」と「メルカリショップス」の商品を閲覧・購入できる。

 AI(人工知能)による翻訳機能や各地の通貨や決済方法に対応。26年1月以降は発送前にメルカリ自身が全商品をチェックして品質を保証する「全品検品」を導入、決済から配送状況の追跡までをアプリ上で完結する。

 メルカリグローバルEC基盤は、専門知識や経験がない国内事業者を支援し、出店を促進する。決済・配送・通関・顧客対応などは日本の「メルカリショップス」での機能で手助けする。国・地域ごとに販売設定も可能。26年上半期からは「あんしん鑑定」機能も導入。出品するだけでなく、効率的にコンテンツや商品を世界にリーチできる基盤にもしていく。

 越境事業の取引の7割を占めるエンタメ・ホビー領域から先行して機能を拡充していく考えで、コンテンツの権利元企業との連携も強めていく。ファッション領域は2割ほどだが、「日本ブランドだけでなく海外ブランドも人気。中古品の品質が高い〝ユーズド・イン・ジャパン〟として支持されている」として、取引を増やしていく考え。

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