23年秋冬のメンズカジュアルヒット商品は、残暑が長引いたことで秋物の動き出しが遅れたが、11月後半以降の気温低下で冬物にいくつかの売れ筋が生まれた。若年層を中心に、コンパクトなトップに太めボトムというバランスが支持されていることを受け、アウターはショート丈、パンツはジーンズやその他のデザインもバギーシルエットや太めストレートが選ばれる傾向が強かった。足元はスニーカー人気が根強いが、「ニューバランス」人気が落ち着き、「サロモン」「メレル」など複数のブランドに売れ筋が分散した。
【関連記事】23年春夏メンズカジュアルヒット商品 カーゴパンツにシェルジャケット
9~10月は残暑によってセーターや軽い羽織りなどの売れ行きが鈍かった。10月後半からアウターがようやく売れ出し、ダウンジャケットやコートなど冬物の動き出しは11月後半からだった。
ボトムはさらに太く
秋冬を通してもっとも売れたのが極太パンツだ。春夏から継続のトレンドだが、秋冬はわたり幅30センチ以上の極太シルエットが特に人気で、「ジーユー」の「スーパーバギースラックス」や「ディッキーズ」の「ダブルニーワークパンツ」など、手頃な価格のブランドが売れた。
2位のショート丈中わた入りブルゾンは、極太パンツと合わせてバランスを取るアイテムとして人気だった。暖冬により、ダウンではなく合繊わた入りが好まれ、グレーが今季は人気だった。3位のミリタリーアウターはMA-1が根強い人気だったほか、腰丈のM-47や膝下丈のM-51まで、少しゆったりめのシルエットが受けた。4位のダウンベストは9~10月のまだ気温が下がりきらない時期に動いた。