まもなく25~26年秋冬メンズファッションウィーク 現地通信員が語る見どころ

2025/01/15 06:30 更新NEW!


25~26年秋冬「ミラノ・ファッションウィーク・メンズ」広告キャンペーン

 間もなく開催される25~26年秋冬メンズ・ファッションウィークの見どころを現地通信員が紹介する。

ミラノ ロンドン勢が新風を巻き起こすか

 1月17~21日、ミラノで開催される25~26年秋冬ミラノ・ファッションウィークはショー20(うちデジタル開催4)、展示会41、イベント7の、計68の発表が予定されている。

 2月のレディス期間中に、メンズとレディスの合同ショーを予定しているブランドも多く「モスキーノ」「グッチ」「ディースクエアード」「JWアンダーソン」らは不参加。今年100周年を迎える「フェンディ」も、2月に大規模な合同ショーを行う見込みで、今回のメンズは不参加となり、少し寂しいカレンダーとなった。

 ショー形式での初参加は、「ピエールルイ・マーシャ」、伊の若手デザイナー、ドメニコ・フォルミケッティがデザインする「ピーディーエフ」、今回ロンドンからミラノに舞台を移す、英国の「サウル・ナッシュ」。ミラノと上海を拠点とし、ロンドンで発表していた「プロナウンス」もミラノに復活する。新風を吹き込みたいミラノにとって、ロンドン勢の参加は大歓迎だ。  

 話題となるカプセルコレクションにも注目。「バリー」は、イタリア人DJのレオ・マスと協業したカプセルコレクションをイベント形式で発表。米国のバイクウェアブランド「ブラウアー」と「ピレッリ」は、協業カプセルコレクション「ブラウアー×ピレッリ」を発表する。

 デジタルショーでは、サウジアラビアの「ケイ・エル・エム」、労働の価値づけと素材のアップサイクルに取り組む、インドの「アーカイブ・シティ」、伊を拠点とするガーナ人デザイナーの「ヴィクター・ハート」など、小粒だが、独自の感性と哲学を持った若手デザイナー発掘に期待したい。

(ミラノ=高橋恵通信員)

パリ PFW盛り上げる新鋭デザイナー

 21日にスタートするパリ・ファッションウィーク(PFW)は、「キディル」と「ルイ・ヴィトン」(ライブストリーム配信)のショーでオープニングを飾る。68のメゾンが参加する今回のメンズPFWでは、新たに参加する若手と、久方ぶりにカムバックするメゾンのショーが注目を集めている。

 2日目には、22年にLVMHヤングファッションデザイナープライズを獲得した「SSデイリー」と「スリーパラディ」が、カレンダー序盤を盛り上げる。そして4日目には、24年のCFDAアワードでアメリカン・メンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを2年連続で受賞した「ウィリー・チャバリア」が、メンズカレンダーのリズムに弾みをつける。

 「ジャックムス」は4年間のブランクを経てパリ・ランウェー復帰。2年ぶりの「ランバン」は新アーティスティックディレクター、ピーター・コッピングによる初のコレクションでPFWの最後を飾る。そしてイッセイミヤケは「オム・プリッセ・イッセイミヤケ」ではなく、「アイム・メン」で参加。三宅デザイン事務所に所属するデザインチームによる三宅一生の「一枚の布」という思想からどのようなコレクションをパリで見せるのか、期待が高まる。

 最終日にはジャックムス、ランバンに交じり、「サカイ」「ダブレット」「ターク」ら日本勢が存在感を示す。日本人デザイナーの躍進はランウェーだけではない。トラノイはメンズ合同展に代わる新たなファッションイベント「トラノイ・ショーケース」を立ち上げる。その第1回は、23日に東京都主催のファッションアワード受賞者10人がそれぞれのコレクションをショー形式で、ラ・ゲテ・リリックで発表する。

(パリ=松井孝予通信員)



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