シーズンMD改革の舞台裏 アパレルと商社に求められる対話

2026/06/15 06:29 更新有料会員限定NEW!


6~8月の盛夏・猛暑商戦に向け、半袖ジャケットやシアー素材のトップなど快適性ときちんと感を両立したアイテムを拡充した三陽商会

 消費者が求める服を、いかにタイムリーに届けるか。気候変動による季節感の変化と生産リードタイムの長期化を背景に、そのかじ取りの難しさに直面している。5月29日から6月5日にかけて報じた連載「改革の実像 総合アパレルのシーズンMD」は、百貨店レディスブランドのシーズンMDを切り口に、変化しつつあるアパレルと供給サイドである商社の関係性を追った。その過程では、期中追加やコスト抑制を巡る現場のゆがみと、双方に求められる対話の重要性も浮かび上がった。

(橋口侑佳=本社編集部)

【関連記事】《改革の実像 総合アパレルのシーズンMD①》読めぬ季節、止まらぬコスト増 制約の中で探る最適解

気候変動と実需買い

 適品を適量、適時に投入し、セールに頼らず、プロパーで売り切る。その仕組みを構築する動きは今に始まったことではない。総合アパレルメーカーでは、プロパー販売率の向上を最優先の経営目標に掲げている。しかし、近年の環境変化は激しく、その重みも難易度も一段と増している。

 夏の長期化により春と秋の存在感が薄れ、長らくシーズンMDの前提だった「春夏」「秋冬」の季節区分は形骸化した。かつては2月に春物、8月に秋物を立ち上げるのが通例だったが、現在の気温推移では夏物を4月から9月頃まで引っ張らなければならない。この長い期間のMDをどう組み立てるかが「アパレルにとって一番の悩みになっている」(商社)。三陽商会は夏を「初夏・盛夏」(5~7月)、「猛暑」(8~9月)に分け、季節区分を五季とする商品展開カレンダーを24年から導入している。

 消費マインドの変化も拍車をかける。22年以降断続的に続く生活必需品の値上げで生活防衛意識が高まり、今必要な服だけを購入する〝実需買い〟傾向が強まっている。実際、昨冬は気温が下がるタイミングが早く、重衣料の在庫を絞り込んでいたブランドで玉不足が発生した。「いつ何が売れるか予測しにくい」という声はアパレル、商社の双方から聞かれた。

現場に生じるゆがみ

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