松屋が社会人講座を開設 地域の産業を支えるリーダーを育成

2024/01/29 10:59 更新


古屋社長(左)と、日本デザインコミッティー理事長の田川氏(右)

 松屋はデザイン感度を持ったビジネス人材を育成する社会人向け講座「フューチャー・リーダーズ・アカデミー」を4月13日に開設する。日本各地の物作りや小売りの現場を支えて、新規事業を創造できる人材を育てる多角的な学びの場を提供する。プログラムはデザイナー、建築家などで構成する日本デザインコミッティー(田川欣哉理事長)と協業する。

 百貨店が人材育成に取り組むのは、国内産地の人手不足や後継者難が深刻化する中、「広い視野とネットワークを持ったリーダーの絶対数が不足している。『良い商品』を仕入れるだけではなく、地域の産業を支えるリーダーを育成することが極めて重要」(古屋毅彦社長)という課題解決につなげるため。

 カリキュラムは経営に不可欠なビジネススキルを土台に、事業創造におけるデザイン活用やクリエイティビティーを培う内容になる。国内外の第一線で活躍する日本デザインコミッティーのメンバーによるデザイン視点、ケーススタディーを共有するレクチャーをはじめ、ビジネススクールなどの講義実績のある講師を起用する。対象は物作り・地域コンテンツ、地域の魅力プロデュース、時代を開くスペシャリティーの3分野で、業界や分野を問わず幅広い社会人の受講を見込む。デザインを中枢に据えたビジネス・テクノロジー人材を育てる。

 第1期は4月13日~11月2日の隔週土曜日の全15日、計33回の授業を実施する。学費は60万5000円(税込み)で、銀座の三井デザインテック本社ビルなどが会場となる。

 グループワークでは松屋銀座本店を教材に消費者の動向を体感できる。売れ筋や顧客ニーズなど課題解決のためのアイデアを考えるリアルな機会を提供する。

 松屋銀座本店7階の「デザインコレクション」は1955年の立ち上げ以来、日本デザインコミッティーが商品の選定を担っており、連携が続いている。



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