「マメ・クロゴウチ」(黒河内真衣子)は、東京・世田谷に路面の直営店「マメ・クロゴウチ・ハネギ」を開設した。アトリエの近隣で、都心とは異なる生活の音が聞こえる羽根木エリアに、もてなしの場を作った。
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京王井の頭線世田谷代田駅の向かい側で、木造建築の1階をコンクリートでリノベーションした。17平方メートルほどの空間だが、両面をガラス張りにし、入り口から反対側の線路を見通せる作りなっている。
店内はガラスで仕切ったフィッティングルームがメインとなり、茶室のよう。建築を手掛けた柳原照弘さんは、マメ・クロゴウチの本物にこだわって物作りする姿勢が伝わるよう、「お客を迎え入れ、もてなす空間を意識した」という。
営業日は金曜日と土曜日で、それ以外の日は商品を置いていない。毎週、販売する洋服は異なる。自社のECに連動し、週明けから販売する新商品を、先に見て着用できる機会にもなっている。
この物件の前の借り主は、37年続いた焼き鳥屋だった。黒河内が時間の流れを感じさせる煙の跡を見て、「街の歴史を作ってきた建物を受け継ぎ、ずっと残る店にしたい」と決めた。