大手百貨店の1月売上高 春節の免税売上高2ケタ減

2020/02/05 06:30 更新


 大手百貨店の1月売上高(既存店ベース、速報値)は全社が前年同月実績を下回った。消費増税の影響が続いたほか、気温が高かったことで冬物セールが不振だった。インバウンド(訪日外国人)は新型コロナウイルスの影響で中国人客が大幅減となり、春節期間(1月24~30日)の免税売上高は前年比2ケタ減を強いられた。

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 三越伊勢丹は銀座店が微増だったが、新宿店が3%減、日本橋店が9%減だった。基幹3店計で4カ月連続で前年を下回り、10月の消費増税の影響が残った。婦人服が7%減で、セールを中心に実需品が苦戦した。ラグジュアリーブランドや美術・宝飾品など高額品は前年を上回っており、明暗を分けた。

 高島屋は大阪店(0.1%増)、日本橋店(1.2%増)を除いて前年を下回った。衣料品をはじめとした冬物が振るわなかった。婦人服は7%減、婦人雑貨は8%減だった。冬物セールは婦人服で10%減となり、ボリューム品の不振が響いた。

 大丸松坂屋百貨店は心斎橋店を除いて、全店が減収となった。婦人服が2ケタ減で、セールを中心とした冬物が苦戦した。そごう・西武は池袋店が2%減で、防寒アイテムが振るわなかった。婦人服、紳士服ともに10%減だった。

 阪急阪神百貨店は阪急うめだ本店が1%減で、春節期間の前倒しで免税売り上げの増加が寄与した。コートを中心とした重衣料や手袋などシーズン雑貨が苦戦した。近鉄百貨店はあべのハルカス近鉄本店が0.3%増だった。時計や特選衣料雑貨が堅調だった。

 春節期間中の免税売上高は前年(2月4~10日)に比べて三越伊勢丹が基幹3店で2割減、高島屋が15%減、大丸松坂屋百貨店が5%減だった。中国人客を中心に買い上げ客数減が響いた。中国の海外団体旅行の禁止に伴って、月末に客数が大きく落ち込んだ。新型肺炎による感染拡大でインバウンドだけでなく「国内客の消費マインドの低下が心配」(三越伊勢丹)と影響の長期化が懸念されている。




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