大手百貨店の12月売上高(既存店ベース、速報値)は全社が前年同月実績を下回った。消費増税の影響が続いたほか、気温が高かったことで防寒衣料が不振だった。前年に比べて土曜・祝日が2日減ったことも響いた。ラグジュアリーブランドや時計・宝飾品が回復基調にある一方で、衣料品や消耗品で増税の影響が残った。
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三越伊勢丹は新宿本店が4%、日本橋本店が8%、銀座店が6%の減少だった。婦人服は全てのアイテムで前年を下回り、主力のコートが10%減を強いられた。婦人雑貨はブーツやストールなどが苦戦した。新宿本店ではラグジュアリーブランドや時計・宝飾がほぼ前年並みまで戻した。
高島屋は全店でマイナスとなった。特選衣料雑貨が堅調だったが、衣料品のボリュームゾーンが不振だった。婦人服、紳士服ともにコートが10%減少した。大丸松坂屋百貨店は上野店、梅田店を除いて前年割れとなった。婦人、紳士のファッション関連領域が2ケタ減だった一方で、化粧品が4%増、ラグジュアリーブランドが微減だった。そごう・西武は池袋本店が1%減で、防寒アイテムが振るわなかった。婦人服は8%減となり、コート、ニットアイテムが苦戦した。
免税売上高は高島屋が14%減、大丸松坂屋百貨店が6%増、そごう・西武が3%増となり、店舗で格差が大きかった。
阪急阪神百貨店は阪急うめだ本店が5%減で、婦人、紳士ともにファッション領域が低調だった。ラグジュアリーブランドなどの高額品は回復基調にあるが、時計や宝飾品で増税の影響による買い上げ数量の減少が続いた。
近鉄百貨店はあべのハルカス近鉄本店が1%減だった。食品や特選衣料雑貨が堅調だったことにより、微減収にとどめた。