三菱ケミカル 漁網リサイクルのナイロン糸を開発 カーペット用に原着糸販売

2021/11/11 06:26 更新


 三菱ケミカルは国内の廃棄漁網をリサイクルしたナイロン糸「キラビスRC」を開発し、量産体制を整えた。リサイクル事業を行うリファインバース(東京)の再生ナイロン樹脂「リアミド」を一部使用し、同社の特殊紡糸技術を生かした。カーペット用の原着糸で販売開始する。

 キラビスRCは同社のナイロン糸「キラビス」の原料に、再生ナイロン樹脂リアミドを5%混ぜたもの。愛知事業所(愛知県豊橋市)の溶融紡糸設備で量産し、同拠点でノウハウを持つカーペット用に原着の長繊維を生産する。

 原着糸によってテキスタイル工程での染色も不要なため排水を出さず、水・電気などのエネルギーも削減する。ナイロンの特徴である優れた摩耗堅牢度を持ち、長繊維による糸ごみや遊び毛の発生も抑えられる。

 今後、カーペット以外に向けた糸種のバリエーション拡大を検討するほか、再生樹脂の混率アップにも取り組んでいく。

 三菱ケミカルとリファインバースは昨年、資本業務提携し、プラスチック油化などリサイクル事業で協業を進めている。再生ナイロン樹脂リアミドは、リファインバースが国内の廃棄漁網を回収し、一宮工場(愛知県)で製造している。プラスチック成型品用途が先行したが、今年から繊維の展開も始めている。



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