LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンが主催する第8回「LVMHプライズ・フォー・ヤングファッションデザイナーズ」の結果が発表された。
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国際色豊かな9人のファイナリストから、グランプリの栄誉に輝いたのは、ロンドンベースのアルバニア人デザイナー「ネンシ・ドジョカ」のネンシ・ドジョカだ。オーガンディやメッシュを重ねることで作り出す陰影、ボディーコンシャスながらも繊細なライン。肌をもガーメントの一部として取り込む。かつてのヘルムート・ラングのコレクションにも通ずる。27歳。
準グランプリのカール・ラガーフェルド賞には、キャラクターの異なる3人が選ばれた。この3人が選ばれたことで、多様な人種のバランスの取れた顔触れとなった。
中国からはニューヨークのパーソンズで学んだ「ルイ」のルイ・ゾウ。ダイバーシティー(人材の多様性)を全面に打ち出したボディータイトなニットウェアが特徴だ。
「キッド・スーパー」のコルム・ディレインはストリート寄りで、プライズではこれまでなかったアクセスしやすいプライスポイントで服を作る。しかし、デジタルでの作品発表は目を見張るものがあった。
「ルカンヨ・ンディギ」のルカンヨ・ンディギはハンドクラフトを重視したユニセックスなコレクションで、ケープタウンが拠点。ネッタポルテが扱うなど、今後が気になるアフリカ発の若手だ。
同賞は若手デザイナーのサポートと育成を目的に、14年にスタートしたコンペティション。グランプリには30万 ユーロ 、長年にわたり審査員を務めた故カール・ラガーフェルドの名前を冠した準グランプリには、15万 ユーロ が支援される。どの賞もLVMHグループ内のCEO(最高経営責任者)からメンターシップを受けられる。
(ライター・益井祐)