ルミネ 取引先との開発強化、春からパルと

2017/02/24 06:36 更新


 ルミネは取引先テナント企業との共同ブランド開発を強化する。15年春にサマンサタバサジャパンリミテッドグループと開発したレディスウェア「アンドクチュール」、昨年春にジェイアイエヌと開発したアイウェア・雑貨「リムオブジンズ」を立ち上げた。

 これに続き、パルグループホールディングスとレディスウェア「シーナリー」を開発、25日ルミネに実店舗がオープンする。大都市部を中心に商業施設間の競争が激化するなか、「他社とMDを差別化し、独自価値を打ち出すとともに、新しいマーケットを開拓する」(業態マネジメント部ディレクターの石見康太氏と早川明希氏)のが共同開発の目的だ。新たなノウハウを積み上げ、「ビジネススキームを多角的に広げていきたい」という。

 共同開発したブランドは、ルミネが取引先とテナント契約を結び、取引先がECを含めて店舗運営する。シーナリーは既にパルが自社ECサイトで販売を開始、25日にルミネ新宿ルミネ2の2階、28日に同池袋2階にショップを出す。ルミネの自社ECでも3月1日から販売する。

 中心顧客対象は20代後半から30代前半の女性で、「大人の女性に向けたカジュアル」を提案する。オリジナル企画7割、古着のリメイク品や別注品を含めた雑貨などセレクト品3割で構成。平均商品単価は1万5000円、目標客単価は2万円で、ルミネ新宿のファッション店の平均より高く、大手セレクトショップとほぼ同額に設定した。

 ブランド開発はルミネからパルに依頼した。ルミネの石見、早川両氏とパルの4人の担当者の計6人でチームを作り、昨年1月から議論を重ねた。これまでの二つの共同開発ブランドでの経験を生かし、「違う会社が共通認識を持つために、従来に比べて準備期間をかけた。市場調査や海外への買い付けにも一緒に行き、コミュニケーションを深めた」。

 現場の意見も生かすため、ルミネのフロア担当者もサンプルチェックなどを通じて企画に参画した。「エレガンスやフェミニンを軸にした大人カジュアルはあるが、カジュアルを軸にした上質な大人向けブランドはあまりない」とし、シーナリーを開発した。

 共同開発3ブランドはいずれも、各施設の改装や新店導入などを行う業態マネジメント部が担当する。取り組みを通じて、従来型の不動産賃貸では得られない商品開発やMDの組み立てのノウハウを吸収することで今後のブランド開発だけでなく、取引先への新たな提案にも役立てる。

 既に、他部署を含めて4業態を運営する直営店事業と合わせ、今後も様々なビジネスノウハウを積み上げる。

 現在、アンドクチュールは7店(ルミネ6店)で、リムオブジンズはルミネ新宿ルミネ2の4階にある。いずれも売り上げは順調で、シーナリーを含め、秋以降も出店を検討する。



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