「ルイ・ヴィトン」の創業者ルイ誕生200周年を祝う、「200点のトランク、200名のビジョナリー」展が、パリ郊外アニエールにあるヴィトン家邸宅内のギャラリーで開かれている。ここでは200人のアーティスト、メゾンの友人、ビジョナリー(先見の明があるクリエイター)による、ルイ・ヴィトンを象徴するアイテム「トランク」からスタートしたクリエイションが一堂に鑑賞できる。
ルイが1850年代に開発したトランクを原型にした50×50×100㌢のボックスを、200人のクリエイターたちがキャンバス、オブジェやスクリーンなど、それぞれの手法で作品にした。それはまさに、ふたを平らにすることでトランクの構造を再構築し、産業に革命をもたらせたルイへのオマージュ。単に200人という数字ではなく、アスリート、科学者、ミュージシャン、占星術師、ドラッグクィーンなど多岐にわたるコントリビューターが、トランクを通しそれぞれの先見性を表現する。
フィジカルとデジタルで制作された作品があり、展示会場はオリジナルアートピースとスクリーンパネルで覆われた「マジックボックス」が入り混じる。赤い一室に置かれたトランク、その中は本物のジュークボックス。ベンジー・Bによるこの作品は200曲をプレゼントしてくれる。
本展は慈善事業として展開する「ルイ200」プロジェクトの一環で、全ビジョナリーから今回の報酬金額200万 ユーロ が、若者の創造性を育む複数の非営利団体に寄付された。また展示作品はニューヨーク、東京をはじめ各都市を巡回後オークションにかけられ、全収益金がルイ・ヴィトンの奨学金プログラムに充てられる。
(パリ=松井孝予通信員)