ロンシャン・ジャパン オムニチャネル戦略に力 春からEC売り上げ急伸

2020/10/30 06:28 更新


定番バッグのカスタムサービスの進化版「マイ・プリアージュ・シグネチャー」が好評

 ロンシャン・ジャパンはオムニチャネル戦略に力を入れている。4月にECの売り上げが急伸、緊急事態宣言に伴う家ナカ需要にECのプラットフォームを刷新し、「ロンシャン」の定番バッグでカスタムサービスの進化版「マイ・プリアージュ・シグネチャー」を立ち上げたことが後押しした。

 4~8月のEC売上高は前年同期比40%増だった。8月に表参道ヒルズ・表参道Rスタジオでマイ・プリアージュ・シグネチャーの期間限定店を開き、ほぼ同期間に「マイ・プリアージュ」に関連したキーワードでECに流入するビジターが急増、売り上げに貢献した。

 新たな施策で、EC経由で店舗在庫を発送するシップ・フロム・ストアも実っている。実装する上で店頭の意識改革と業務改善が必要と考え、本社からのサポートとトレーニングを行った。結果、店単体でも新しいツールの操作からオペレーションまでが可能となり、サービスの利点を活用できている。

 公式オンラインストアは11年にスタートした。当初はオンプレミスでサイトを構築していたが、19年からセールスフォースのプラットフォームにグローバルで移行を始めた。全世界統一の規格をローカライズし、ITやマーケティングの資源と運営の効率向上につながっている。

 日本ではグローバルの平均に比べ、モバイルの使用率が高い。このため、モバイルでも使いやすいメニューの追加や、定期的にUX(ユーザーエクスペリエンス)を改善し、コンバージョン率の向上に重点を置く。

 今後は顧客データを使ったCRM(顧客関係管理)とCX(顧客体験)を強化する。在庫管理は「外部の協力会社とマニュアルに沿った作業を減らし、出荷とプラスアルファの作業をしてもらえる環境作りが大事」と話す。サービスはウェブからの来店予約を始める予定だ。



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