DtoCブランド「ローヘン」が好調 上質なスタイル好む大人女性に支持

2022/10/21 10:59 更新


 妥協しない本格的な物作りを掲げ、素材やシルエット、仕立てにこだわった服を提案するDtoC(メーカー直販)ブランド「ローヘン」が好調だ。シンプルで上質なスタイルを好む大人女性に支持されており、伊勢丹新宿本店で開いた期間限定店の売り上げは9日間で約5800万円。現在販売している秋冬物も「過去一番の売れ行き」で、右肩上がりで成長している。

(松本寧音)

 ディレクターを務めるインフルエンサーのTOMOさんはアパレル未経験。新卒から約19年間、化粧品会社に勤めていたが、「昔から好きだった」ファッションの道へ進むために40歳のタイミングで退社。20年8月にローヘンを設立し、同名のアパレルブランドを立ち上げた。

 化粧品会社に勤務していたときに始めたインスタグラムでのコーディネート発信で人気に火が付き、約4年でフォロワー数は9万人に。仕事上、顔を伏せて発信していたが、それがかえってセンスに共鳴する純粋なファンの獲得につながった。現在もブランド運営をするうえでの強みになっており、特に自身と同世代の30~40代前半の女性から支持が高い。

 買ったはいいものの結局着ないという失敗を何度も重ね、スタイリングが確立した今だからこそ欲しいと思えるリアルな感覚を商品に落とし込んでいる。デザインは極めてシンプルでモダン。目指すのは10年後もワードローブのスタメンでいられるような〝捨てられない服〟だ。

 毎月5品番を新作として出し、3日間限定で受注販売する。限られた期間での販売となるため希少性が高く、即完売する商品も多い。シーズンに1度のペースで開いている期間限定店は、すぐに持ち帰ることができる喜びやコーディネートを吟味できる楽しさがあり、毎度、行列を作るほど好評だ。今年3月に阪急うめだ本店で開いた初めての期間限定店は1週間で約3400万円、6月の伊勢丹新宿本店では9日間で約5800万円を売り上げた(ともに受注含む)。10月7~16日は「バーニーズニューヨーク」銀座店でも開催した。

 22年秋冬物は5分で300枚が完売したウールメルトンのコートや、1000枚以上を販売したコクーンシルエットのコートなどヒットが続出し、過去一番の売り上げを更新している。他にないメンズライクなシルエットやクオリティーに対する価格が評価されている。今後はバッグやシューズなど新しいカテゴリーの開拓も視野に入れている。

メンズライクなシルエットが好評のウールメルトンのコート
トップ、ボトムともにコクーン風の丸みを帯びたシルエットが多い

関連キーワードデジタルニュース



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事