ベイクルーズグループのセレクトショップ「レショップ」が、スーツ・ジャケットスタイルを再び盛り上げるべく、新レーベル兼ブランド「ザ・ジェントルマン・イン・ザ・パーラー」を始動する。まずは12月12日にジャケット2型を発売する。
デザイン・企画は、同店コンセプターの金子恵治さんとファッションキュレーターの小木〝ポギー〟基史さんが、パターンは「サイ」のパターンカッターの宮原秀晃さんが務める。プロジェクトの経緯や目的、ドレスウェアの需要・着用機会減にどう立ち向かうのかを聞いた。
(友森克樹、写真は加茂ヒロユキ=白黒写真除く)
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――なぜ3人が組み、ジャケットを作ることに。(以下、敬称略)
今だからこそやりたい
金子 レショップとして本格的なスーツやジャケットは、いつかやってみたいと常々思っていました。新型コロナウイルスの感染が広がり、服装のカジュアル化が一層加速した今だからこそ、その思いが強くなりました。小木さんとは8月に初めてお会いしたのですが、小木さんといえばスーツだなと思い、一緒に何かできないか相談しました。
小木 裏原宿ブームでファッションに目覚め、20歳でユナイテッドアローズに入社し、トラッドスタイルを学びました。2年前に独立してからは、世の流れもあってラグジュアリーストリートスタイルに傾倒していましたが、コロナ禍でトレンドを過度に追うことをやめ、改めてトラッドスタイルが良いなと思うようになりました。金子さんの話を聞いて、一緒にスーツを作れたら面白いだろうなと思いました。
金子 スーツを作ろうというのはすぐに決まったのですが、我々はディレクションやバイイングが専門なので、物作りに関しては協力者が必要でした。スーツやジャケットの軸となるパターンは、プロフェッショナルにお願いしたいなと思い、宮原さんに声を掛けさせてもらいました。
宮原 金子君と小木君が会っていたのは、金子君のインスタグラムで見かけていて、何か面白いことやるんだろうなと思っていました。実は投稿に「いいね!」も押していたんです。数日後に金子君から連絡をもらい、この話だったのかと思いましたね。ディレクションやバイイングなど業界人として尊敬している2人だったので、二つ返事で快諾しました。
――ジャケットを作るまでにどんな話し合いを。